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都議会質問記録

【13】2011/10/18 「子どもの安全と地域安全マップづくり事業について」文書質問を提出しました

2011年10月18日、都議会本会議で、文書質問「子どもの安全と地域安全マップづくり事業について」を知事に提出しました。子どもの安全は大変重要な課題であり、文書で質問を行ったものです。毎回一般質問ができる市議会と違い都議会では時間等の制約から4年間に数回しかないため、質問機会を保障するため文書での質問を認める制度があり、それを活用したものです。回答は知事の決済を経て次回の議会に文書で回答されますが、議事録上は本会議での質問と同様の扱いがされます。答弁は11月30日の都議会本会議で出されました。質問と答弁は以下の通りです。

子どもの安全と地域安全マップづくり推進事業について

 10月11日から20日までは全国地域安全運動が行われます。また、東京都では、地域ぐるみで子どもたちを犯罪から守る取り組みを推進するために、11月を「子供安全ボランティア推進月間」と定めています。こうした機会にあたって安全について地域でも確認することが大切です。とりわけ子どもについては、地域でいかに守っていくのかと同時に子ども自身も安全についての意識を高める必要があります。都では、平成17年度から「地域安全マップづくり推進事業」を行い、子ども自身が地域を歩き、どこが危険かを点検することで犯罪被害防止能力を育成する取り組みを行っています。しかし、安全については継続して取り組まなければ時間とともに効果は薄れてしまうため、引き続き事業推進を行う必要があります。地域の子どもたちの安全を守るために都としてもさらなる施策推進を行っていただくことを趣旨として、以下質問します。

問1 地域安全マップづくり推進事業について、都がどのような取り組みを実施してきたのか伺います。

答1 都では、子供の犯罪被害防止能力の向上を目的とした地域安全マッブづくりを推進するため、平成17年度から、マッブづくりの指導者を養成する「地域安全マップ専科」、地域安全マップづくりの理論的背景を学ぶ「地域安全マップ研修会」等を関催し、平成22年度までに教員や警察関係者など約5,000人が受講しています。
 また、指導用のマニュアルやDVDの作成等を行い、地域安全マップづくりの普及に努めています。


問2 平成22年度の予算と決算額、実績を伺います。また、地域安全マップづくりを、都内の市区町村立小学校のどの程度が実施しているのか伺います。すでに導入済みの学校が多いと思いますが、継続して行うことが必要であり、そういう視点からの把握はされているのでしょうか。一度取り組みを行ってマップを作成しても、生徒児童も変わりますし、まちも変わっていきます。継続した取り組みが必要だと考えますが、ご所見を伺います。

答2 本事業の平成22年度の実績は、予算額17,518,000円に対し、決算額9,525,000円で、新たに地域安全マップ作製指導マニュアル及びDVDを作成したほか、地域安全マップ専科等の講座を開催しました。作製指導マニュアル及びDVD作成契約の差金が出たことや安価・無償の会場を使用できたことなど経費を節減することができ、執行率は54.4パーセントでした。
 また、青少年・治安対策本部が都内の区巾町村立小学校約1,300校に対して、犯罪機会論を児童の指導に応用した地域安全マップづくりの実施状況について調査したところ、平成18年度において「実施したことがある」と回答した学校は553校であり、今年度の調査において「平成22年度に実施した」と回答した学校は676校でした。
 子供を犯罪から守るためには、学校における継続した地域安全マップづくりの取組が有効であると考え、引き続き指導者養成などの支援を行っていきます。


問3 安全教育の効果は分かりにくいものですが、少なくとも地域安全マップを取り組んできてどのような効果があったと認識しているか伺います。

答3 地域安全マップを実践した教員の評価として、「危険予測能力が身に付き、自分のことは自分で守る意識が高まった」、「5、6年生合同のマップづくりを実推しているが、6年生は後輩に敦える立場としての自覚が芽生えた」などが挙げられています。
 また、子供からは、「大人に守ってもらうばかりでなく、自分たちでも気をつけなければいけない」、「私が注意すれば犯罪にあいにくくなることも知り、注意して生活していこうと思う」など、犯罪被害防止に役立つ体験をしたとの感想が寄せられています。


問4 多くの学校がコミュニティスクールとして、保護者だけではなく地域の方が参加するようになってきた中で、地域安全マップも学校だけでなく、地域も巻き込んだ取り組みとして展開できます。そもそもマップを作ることだけが目的ではないのですから、地域を巻き込んだ安全対策として発展させる必要があると考えますが、所見を伺います。

答4 子供を犯罪から守るためには、保護者や学校だけでなく、警察や自治体はもとより町会、自治会をはじめとした地域の方々が力を合わせることが極めて重要です。
 都では、平成21年度に地域の方々を対象とした地域安全マップマニュアルを作成し、区市町村や町会・自治会などに配布して、小学校におけるマップづくりへの協力や地域の防犯活動への応用を呼びかけるなど、子供とまちを犯罪から守るため、地域ぐるみの取組を推進しています。


問5 私が安全マップづくりを見学すると、子どもが危険な個所を示すのは、まず交通事故が起こりそうな場所を示すようです。車が多いと交通事故に遭う可能性が高まりますが、逆に車が少なく人通りも少ないと犯罪の危険性が高まるとの考えもあります。交通事故と犯罪は逆な部分もあるのですが、両方大切なことです。安全教育を進める上で、小学校ではどのように指導しているのか所見を伺います。

答5 都内の公立小学校では、発達の段階や地域の実態に応じて、児童自身が交通事故や犯罪、自然災害等の危険から、自らの命を守る安全教育を、関係団体や保護者等と連携して実施しています。
 その一環として行われる安全マップづくりには、「交通安全マップ」、「地域安全マップ」、「災害安全マップ」と大きく3種類あります。
「交通安全マップづくり」は、見通しの悪い交差点や歩道の有無等、交通環境を調べて地図にまとめる学習です。
 また、「地域安全マップづくり」は、高い塀に囲まれて外部から見えにくい場所等、犯罪が起こりやすい場所を、「災害安全マップづくり」は、避難場所や給水場所等、災害時に必要な情報を調べて地図にまとめる学習です。
 これらの体験的、実践的な「安全マップづくり」の学習を通じて、児童自身が実際に地域を歩きながら、安全の視点から自分の住む町の環境に目を向け、危険を予測し、回避する能力や態度を身に付ける指導をしています。

問6 地域安全マップづくりは、子どもを犯罪から守るという治安対策部門と、安全教育を所管する教育委員会との連携が大切であると考えます。教育委員会の所見を伺います。

答6 「地域安全マップづくり」をより効果的な学習活動とするためには、治安対策部門をはじめ地域の関係機関との連携・協力の上に進めることが重要です。
 そのため、都教育委員会では、公立学校の全教員に配布している東京都独自の「安全教育プログラム」に、育少年・治安対策本部作成のビデオ教材「地域安全マップをつくろう!」等を活用した指導事例を掲載しています。
 また、都教育委員会が主催し、都内全公立学校悉皆参加で開催する「学校安全教室指導者講習会」において、「地域安全マップづくり」の優れた実践例を紹介するとともに、青少年・治安対策本部を介して警視庁の生活安全担当者を講師に招聘しています。
 今後もこうした取組を通じて、青少年・治安対策本部等、治安対策部門との連携・協力を図っていきます。


問7 最近、定着してきたからかもしれませんが、地域安全マップ事業があまり注目されなくなり、報道もあまりされないように思います。安全の最大の敵は「慣れ」であり、冒頭にも述べましたが継続した取り組みが必要です。今後どのように事業展開していくのか伺います。

答7 今後も、都内の全小学校や地域において地域安全マップづくりを実施できるよう、学校、区市町村、警視庁、子供安全ボランティアなどと連携しながら、マップづくりの指導者の育成を継続します。
 また、平成22年度に、学校や地域で蓄積された有用な実施例や、授業に取り入れ,やすい効率的なカリキュラム例を掲載した、新たな指導マニュアル及びDVDを作成しました。それらを活用して、引き続き学校における地域安全マップづくりを普及、定着させていきます。

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