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都議会質問記録

【13】2012/10/04 「『障害者虐待防止法』の10月1日施行の対応等について」文書質問しました。

東京都議会 平成23年度公営企業会計決算特別委員会 第1分科会
質問(2012年(平成24年)10月22日)

2012年10月4日、都議会本会議で、文書質問「『障害者虐待防止法』の10月1日施行の対応等について」を知事に提出し、11月30日の都議会定例会で答弁が報告されました。民主党は以前から障がい者の虐待防止の法制化を目指していましたが、政権交代後、ようやく実現することができました。今回、法律が施行されるに際して都の対応を質問しました。毎 回一般質問ができる市議会と違い都議会では時間等の制約から4年間に数回しかないため、質問機会を保障するため文書での質問を認める制度があり、それを活 用したものです。回答は知事の決済を経て次回の議会に文書で回答されますが、議事録上は本会議での質問と同様の扱いがされます。質問と答弁は以下の通りで す。

1.「障害者虐待防止法」の10月1日施行の対応等について

 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」いわゆる「障害者虐待防止法」が議員立法として平成23年6月17日に成立し、平成 24年10月1日から施行されました。法律では、障がい者の尊厳を守り、自立及び社会参加を推進するために虐待を禁止するとともに、予防と早期発見の取り 組みを国や国民等に求めています。さらに、養護者や福祉施設従業員、雇用主による障がい者虐待を発見した人には、市町村や都道府県への通報の義務が発生し ます。法律には都道府県についての責務や役割も規定されています。
 障がいの有無にかかわらず等しく相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現を目指して取り組むことが重要です。「障害者虐待防止法」の10月1日施行の対応等について、以下、質問します。

質問1:都はこれまでも障がい者福祉施設の監督官庁であったのですが、障がい者の虐待についてどのように実態を把握し、対応していましたか。また、障がい者虐待を理由として、障害者自立支援法に基づく勧告や改善命令等の行政処分を行った実績はどうだったのか、伺います。

答弁1: 障害者自立支援法に基づく施設の運営基準に関する厚生労働省令において、障害者福祉施設を運営する事業者は、利用者の人権擁護、虐待防止等のため、責任者を設置する等の体制整備や職員研修の実施等の措置を講ずるよう努めなければならないことが定められています。
 都は、施設の適正な運営を確保する立場から、人権擁護・虐待防止について周知を図るとともに、指導検査の機会を通じて、施設の取組を確認し、指導してき ました。また、施設での対応に関する苦情などが寄せられた場合には、必要な事実確認を行い、改善指導を実施してきました。
 障害者虐待に関連し、障害者自立支援法に基づいて行った行政処分は1件で、その内容は、共同生活介護事業所において、人権擁護・虐待防止に関する取組が 不十分で、管理者がサービスの実施状況の確認など、必要な業務管理の責務を果たさなかったため、従事者による暴行を防げなかったとして、3か月間の「指定 の全部の効力停止」の処分を行ったものです。

質問2:都では「障害者虐待防止法」の施行が10月1日に施行されたのに際してどのような体制整備や対応をしましたか。また、障がい者虐待防止に向けての 方針や計画を策定すること等も必要と考えます。障がい者の虐待をなくすことを都としても強く推進する必要がありますが所見を伺います。

答弁2: 都は、障害者虐待防止法が施行された平成24年10月1目から、使用者による障害者虐待の通報窓口となる東京都障害者権利擁護センターを開設しました。
 また、平成23年度から、法の施行に向けて、区市町村の相談窓口従事者、施設の管理者及び従事者を対象に「障害者虐待防止・権利擁護研修」を実施してお り、これまでに、1,281人が受講しています。さらに、障害福祉サービス従事者等に対し、各種の研修会も活用し、障害者虐待防止法に関する情報を提供 し、周知を図ってきました。
 今後も、引き続き研修等を実施するとともに、虐待防止に関する知識や都内の通報窓口などを分かりやすくまとめたリーフレットを作成し、都民や関係団体に幅広く周知するなど、障害者の虐待防止に向けた取組を進めていきます。

質問3:市区町村では、夜間休日も含めて24時間対応をする場合、相応の体制が必要であり、財政的支援の必要性もあるかと考えられますが所見を伺います。

答弁3: 都内全ての区市町村では、障害者虐待の通報窓口として障害者虐待防止センターを開設しています。
 夜間休日については、専門の相談員を設置したり、当直者が受け付けて必要な場合に担当者に連絡するなど、各自治体の実情に応じて対心しています。
 こうした夜間休日の体制整備に必要な経費については、国の障害者虐待防止対策支援事業による補助の対象とされています。

質問4:養護者による障がい者虐待の場合には、市区町村が一時保護等の措置をすることになっていますが、市区町村の狭い区域では養護者と十分な距離を取れないとの懸念、もあります。都としてこの場合はどう対応しますか、伺います。

答弁4:養護者から虐待を受けた障害者を保護、分離するため、身体障害者福祉法や知的障害者福祉法に基づき、区市町村長が職権により施設に入所させる場合、養護者と障害者の面会を制限することができるとされています。
 また、都は、区市町村内に適切な施設が確保できない場合に備え、各区市町村を通じて収集した一時保護に協力可能な施設の情報を提供しています。

質問5:使用者による障がい者虐待の場合は、都は労働局に報告するのみで事業所の監督権限はありません。都は、実際にはどのような役割を果たすのか、伺います。

答弁5: 障害者虐待防止法では、使用者による障害者虐待の通報窓口は、区市町村又は都道府県とされ、区市町村は通報を受けた場介には、都道府県に通知することとされています。
 都は、通報者や区市町村に、通報内容についての事実を確認した上で、労働局に報告を行います。
 また、都が設置する障害者権利擁護センターは、法に基づき、虐待を受けた障害者の支援のため、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行っていきます。

質問6:障がいのある就学児は虐待防止の対応を学校長が行うことになりますが、教育機関との連携はどのように行うのか、伺います。

答弁6: 就学する障害者に対する虐待を防止するため、都は、障害者虐待防止法や児童虐待防止法に基づき、区市町村や児童相談所、学校、障害児施設などの関係機関と連携して対応していきます。

質問7:法の施行により都障がい者権利擁護センター、市区町村障がい者虐待防止センターが対応窓口として設置されることになりますが、都内の設置状況をどう把握していますか。今後、センターの対応力のレベルアップを図ることが必要と考えますが、所見を伺います。

答弁7: 都内では、全ての区市町村が障害者虐待防止センターを設置しており、都は、センターの設置場所や、夜間休日の連絡先などをホームベージで公表しています。
 また、都は、法の施行に向けて、区市町村の通報窓口に従事する予定の職員等を対象として、法律に関する講義や演習方式の事例検討などを内容とした研修を実施してきました。引き続き、研修の内容を充実させながら、障害者虐待防止センターの対応力の向上を図っていきます。

質問8:虐待防止に取り組むために、市民団体、関係団体等との連携、協力を図る必要があります。都の所見を伺います。

答弁8:都は、障害者虐待を防止するため、都内の通報窓口などについて、労働教育、保健医療、児童虐待防止、高齢者虐待防止等の関係部局や社会福祉協議会、社会福祉会など障害者の権利擁護に取り組む民間団体等に、幅広く情報提供を行い、協力を求めています。
 また、障害者の支援に係る課題を協議する場である自立支援協議会も活用して、市民団体、関係団体等との連携体制の構築に努めています。

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