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都議会質問記録

2015/03/02 財政委員会で補正予算、防災街づくり基金について質問しました。

 2015年3月2日、東京都議会 財政委員会におい知事から提出された補正予算、防災街づくり基金の新設について質問しました。以下に質問と答弁を掲載します

○中村委員 それでは、平成二十六年度最終補正予算について伺います。
 今回の最終補正予算では、社会資本等整備基金を積み増すとともに、東京を高い防災力を備えたまちとして整備するため、東京都防災街づくり基金を新設し、一千億円を積み立てるなど将来に対する備えを厚くしています。
 今回の基金積み立ての原資が都税収入の上振れや、契約差金などの現時点で不用となることが明らかな財源であるということで、都民サービスの圧縮により捻出したものではないことも含め、一定の評価はしたいと思います。
 ただ、物価の上昇や格差の拡大により厳しい状況の都民も多く、将来的にも、少子高齢社会の到来により、今のままの制度を前提とすれば、社会保障費が毎年三百億円増加していくという試算もある中、都の財政状況は決して楽観できるものではないという認識は持ち続けなければなりません。
 これから議論となる平成二十七年度予算においても、多くの基金が新設され、大変わかりにくいという状況にもなっています。こうした中、それら一つ一つが何を目的に設立されたものなのか、目的に沿った活用がなされるのか、財政規律という意味で確認をしていく必要性があります。
 そこでまず、防災街づくり基金を新たにつくる意義は何か、また、どのような用途に使うのか、所見を伺います。
○潮田主計部長 防災街づくり基金は、都税収入が不安定な中におきましても、東京を高い防災力を備えたまちとして整備するための取り組みを、集中的、重点的に進めていくことができるよう、財政面から、現在できる最大限の措置を講じたものでございます。
 今後、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催に向けまして、木造住宅密集地域の不燃化や建物の耐震化など、災害に強い都市づくりを、確実に、着実に進めていく財源として、適切に活用してまいります。
○中村委員 今回の最終補正予算では、防災街づくり基金のほかに、社会資本等整備基金についても、一千億円積み増しをしています。防災のまちづくりは、社会資本の整備により、都民の安全・安心を確保するということが中心になると思いますが、社会資本等整備基金の目的と使い道が重複している部分も多いかと思います。
 そこで、今回創設する防災街づくり基金と社会資本等整備基金との違いは何か伺います。
○潮田主計部長 社会資本等整備基金は、道路、橋梁、河川、港湾施設などの都市インフラ、あるいは都立学校や福祉施設を初めとしました都有施設など、広く社会資本ストックの整備や維持更新を中長期にわたり着実に進めていくため、あらかじめその財源の一部を確保していくことを目的とした基金であります。
 これに対しまして、防災街づくり基金は、二〇二〇年に向け、東京を災害に強い安全な都市としていくため、集中的、重点的に進めるための財源を確保することを目的としており、既存の社会資本等整備基金とは別の特定目的基金として新たに創設をするものでございます。
○中村委員 都政にとって防災対策は最重要課題であり、都税収入が減ったからといって滞らせるわけにはいかないと思います。将来に備え、基金を積み立てることは、都税収入は景気による変動幅が激しく、そのたびに、都政運営が危機に直面するという厳しい経験を経てきたことにもよると思います。だからこそ、今回基金を積み増すからといっても、国の主張するように、都は豊かだから税を吸い上げて地方にばらまくということは適切ではありません。
 ただ、新設される防災街づくり基金も、条例に書かれた設置目的は、高い防災力を備えたまちとして整備するためと簡素な条文のため、かなり幅広く活用できるようにも読めます。他の数多くある基金も含めて充当先が曖昧なことによって、本来の趣旨を逸脱した用途に流用されることがないよう、きちんとした規律をもって使途を管理していただきたいと思います。
 さて、財政規律という意味で、将来需要を把握し、財政計画をつくることは重要です。
 防災街づくり基金は、二〇二〇年に向けた集中的、重点的な取り組みを図る基金としていますが、先般発表された長期ビジョンでは、三年分の経費しか示しておらず、二〇二〇年までにかかる経費は公表されていません。
 そもそも財政運営に当たっては、今後必要となる経費を予測し、そこに毎年度の税から充当するのが基本で、税収が予想に反して減収をした場合に基金から充当するものだと考えます。
 単に基金を積むだけではなく、長期的な計画を示し、その上で基金を積み活用していくものだと考えますが、見解を伺います。
○潮田主計部長 東京を高い防災力を備えたまちとして整備するためには、木造住宅密集地域の不燃化、あるいは建物の耐震化を初め、今後多岐にわたる課題への対応が必要不可欠でございまして、それらの政策の実現を図るには膨大な財政需要が想定されます。
 そうした中、今回の最終補正予算においては、増収となった都税収入のほか、不用額の精査などにより生み出されました財源を最大限活用し、東京の将来を見据え、現在でき得る限りの財源対策として、基金の積み立てを行ったところであります。
 今後とも、これらの基金を適切に活用することによりまして、安定的かつ継続的に災害に強い都市づくりを進めてまいります。
○中村委員 防災に限らず、都政全般においてある程度の中長期的な財政見通しを策定し、都政が抱える膨大な財政需要やその財源対策の方法を都民に示すことは必要だと思います。
 オリンピック・パラリンピックに向け、財政需要が拡大基調にある中、しっかりとした見通しを持って、今後の都政を支える安定的で継続的な基盤確保に向けて、さらに取り組んでいただくことを求めて質問を終わります。

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