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都議会質問記録

2015/03/18 予算案、条例案、第二次主要施設10か年維持更新計画について質問しました。

2015年3月18日、東京都議会 財政委員会において平成27年度予算案、条例案、第二次主要施設10か年維持更新計画について質問しました。以下に質問と答弁を掲載します。

○中村委員 それでは、最初に、来年度の予算について伺います。
 来年度予算の特徴として、二十六年度最終補正予算と合わせた七つの基金の創設があります。将来にわたって安定的かつ継続的な都民サービス提供の基盤を構築するという都の姿勢については、率直に評価をしたいと思います。しかし、財政規律の観点からすれば、基金の目的に重複があったり、充当先が曖昧であったりすることで、まるで余ったお金をとりあえず貯金しただけではないかという疑念を都民に抱かせるようなことはあってはなりません。
 そこで、人に優しく快適な街づくり基金について確認します。
 条例の条文には、公共交通及び道路の安全確保、都市景観の向上等、東京を誰もが安心して快適に過ごすことができるまちとして整備するためとありますが、これだけでは既存の社会資本等整備基金とのすみ分けなど、基金の位置づけが不明確ではないかと感じます。
 そこで、まず、人に優しく快適な街づくり基金を設置する意義について伺います。
○潮田主計部長 世界一の都市東京を実現するためには、東京で暮らす都民、あるいは東京を訪れる誰もが安心して快適に過ごすことができる都市を構築することが必要でございます。
 人に優しく快適な街づくり基金は、景気の動向にかかわらず、鉄道、道路のバリアフリー化や自転車走行空間の整備などの快適なまちづくりを集中的、重点的に進めていくための財源として確保することを想定したものでございます。
 具体的な充当対象事業、あるいは取り崩し額につきましては、来年度以降の予算編成を通じて検討してまいります。
 なお、社会資本等整備基金につきましては、広く社会資本ストックの整備や維持更新を中長期にわたり着実に進めていくことを目的としておりまして、本基金とは性格を異にするものでございます。
○中村委員 この基金では、鉄道、道路のバリアフリー化や自転車走行空間の整備などを進めるためとのことでした。いずれも重要な課題ですが、税収が減ると道路そのものの整備だけが先行しがちです。幅広い社会資本の整備が求められる中で、快適なまちづくりのために予算の確保をするというのは、方向性を示す点で評価したいと思います。
 バリアフリーも自転車の安全についても、私たち民主党から求めてきたことですので、ぜひとも財政的な面からも着実に推進されるよう要望いたします。
 次に、歳出の面から、財政規律が保たれているのか検証したいと思います。
 歳出面から見た二十七年度予算編成の大きな特徴として、削減額の二倍まで予算要求を認める仕組みの導入があります。事業の見直しをすれば二倍の予算を出すということですが、そもそも予算は必要があるところに必要なだけ措置をするものではないでしょうか。
 そこで、平成二十七年度予算編成において、二倍の予算要求を認める仕組みを導入した理由について伺います。
○潮田主計部長 都が将来にわたり安定的、継続的に課された使命を果たしていくためには、事業全般について時期を逸することなく、必要な見直し、再構築を図ることで、都政改革を絶え間なく推進していく必要がございます。
 平成二十七年度予算編成においては、知事の発意により、各局がみずから見直しを行った場合、削減額の二倍まで予算要求を認めるインセンティブの仕組みを導入することで、施策の新陳代謝を積極的に促すこととしたところでございます。
 今後とも、自己改革の取り組みを徹底することにより、効率性、実効性の高い施策を構築するとともに、多様化する都民ニーズに応えられる強固で弾力的な財政基盤の確保に努めてまいります。
○中村委員 今回の取り組みは、好調な税収を背景に、そのインセンティブを高めるための仕組みの一つであったことは理解します。しかし、都政を時代に即した柔軟な対応を可能にする体質に改善するためには、常に施策の新陳代謝を促すことは重要です。こうしたインセンティブがあってもなくても、必要なところに必要なだけの予算をつけるのが原則ですし、逆に削減だけを迫って各局を萎縮させて、本当に必要な施策の提案がなされなくなっても困ります。これは財政当局に求められると思うんですが、各局への常なる改革を促し、施策の新陳代謝を不断に進めていき、都民にとって本当に必要な予算編成をされるよう、さらなる工夫を要望いたします。
 また、歳出面で、公債費について伺います。
 平成二十七年度の公債費は四千七百七十九億円となっています。この金額は、昨年度と比較して四百八十八億円減少しており、歳出総額に占める公債費の比率も下がっています。しかし、これは過去に発行した都債の償還に係る費用です。都債を世代間の負担の公平のために発行しているのは承知をしていますが、利子もあるのであり、将来支払う公債費のことを考える必要があります。
 そこで、都債について、将来負担をできるだけ減らしていくことが重要だと考えますが、所見を伺います。
○潮田主計部長 都債は、世代間の負担の公平性を確保する役割とともに、年度間の財源調整を図る重要な機能を担っております。
 発行に当たりましては、将来負担を考慮して、その時々の経済環境や事業動向等を踏まえ、中長期的な視点に立って判断をしていくことが重要であると考えております。
 平成二十七年度予算では、投資的経費は大幅に伸びているものの、都債の発行額は前年度とほぼ同水準の四千四百九十五億円でございまして、将来の財政負担を考慮して都債の活用を行ったところでございます。
 なお、お話しの公債費の減少については、今お話しございましたとおり、過去の発行抑制などによる効果でございます。
 今後とも、後年度の財政負担等、都財政の健全性に配慮しつつ、適切に都債の活用を図ってまいります。
○中村委員 税収がふえたから、単純に借金を返せばいいという構造にはなっていないことは理解をしていますし、過去の都債の発行抑制によって、今年度の公債費が減少したこともわかります。ただ、もちろん都債の世代間の負担の公平化ということはあるわけですが、将来高齢化が進むと、都債という目に見える形だけではなくて、社会保障ということで今の若い方に大きな負担がのしかかってもいきます。公平性ということが、何をもって公平なのかということが問い直されるときも来るかと思います。将来を見据えると、負担はできるだけ軽減していけるような予算編成を心がけていただきたいということを申し述べて、次の質問に移ります。
 次に、契約について伺います。
 この財政委員会でも、たびたび入札の不調や建設労働者の賃金の問題を取り上げてきました。しかし、大手企業の賃金の向上とは違って、建設労働者の低賃金の改善というのは、なかなか実現をしません。こうした状況の中で、昨年、国において品確法と呼ばれる公共工事の品質確保の促進に関する法律、入契法と呼ばれる公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律、そして、建設業法と、いわゆる担い手三法が改正されました。
 この担い手三法が、この四月から施行されますが、都の対応を伺います。
○松永契約調整担当部長 昨年六月、国は、いわゆる品確法を初め関連する入契法、建設業法の改正を行い、本年四月から本格的な運用が開始されます。
 この中で、特に改正品確法では、現在及び将来の公共工事の品質確保と担い手の中長期的な育成、確保を図るため、発注者の責務として、予定価格の適切な設定、適切な設計変更、計画的な発注などが明確化されました。
 都は、これまでも予定価格修正方式や全体スライド条項の見直し、債務負担行為の効果的な活用などの入札に参加しやすい環境の整備に向けての一連の取り組みを進めてまいりました。
 今後とも、これらを総合的に実施することが、改正品確法の趣旨を実現することにつながると考えております。
○中村委員 都は、これまでも法律の施行に先立ち、さまざまな取り組みをしてきたとのことです。ぜひとも各局とも協力をして、法律の趣旨がきちんと浸透するよう取り組んでいただきたいと思います。
 建設労働者の労務単価というのを都は引き上げてはいるんですが、それが実際に働く建設労働者の賃金にどう反映をされているのでしょうか。現状をどう把握しているのか、また、調査をすべきと考えますが、見解を伺います。
○松永契約調整担当部長 本年二月、昨年に引き続き労務単価の前倒し改定が行われ、都は直ちに、これを反映した新単価を適用するとともに、予定価格の修正、新単価を用いた設計変更及びインフレスライド条項の適用などの措置を実施することといたしました。
 単価の改定に際しましては、元請事業者に対しまして、現場技術者への適切な賃金水準の確保や、法定福利費相当額を適切に反映した額での下請契約など、現場の労働条件の改善について徹底するよう要請を行いました。
 また、制度の趣旨と手続の詳細は、電子調達システム上の入札情報サービスを通して、全ての事業者に周知するとともに、特に建設関連の事業者団体に対しましては、直接話し合いの場を持ち、制度の趣旨を徹底するよう要請したところです。
 このような取り組みを継続的に行うことにより、賃金の支払い状況を含めた労働条件の改善を図り、公共工事の担い手の中長期的な育成、確保につなげてまいります。
○中村委員 労務単価を上げてはいただいているんですが、まだまだ実態とは乖離があるようです。私も以前のこの委員会の中では、公契約条例の制定等は必要だということは述べておりますが、また、そのためにも、ぜひとも、その前提として、都としても実態調査を行って現状を把握し、その改善に努めていただきたいと思います。
 次に、社会保険の問題について伺います。
 建設業に若い労働者に入っていただくためには、社会保険にきちんと加入できることが大切ですし、同時に、零細事業者も事業が継続をしていかなければなりません。
 そこで、社会保険の未加入の問題において、単に守らない事業者を排除するだけではなくて、下請を含めて、きちんと加入がされるような仕組みが必要であり、そのことは、働く人の待遇改善だけではなくて、適正な競争の確保にもつながります。
 法定福利費の明示された標準見積書の活用が必要と考えますが、見解を伺います。
○松永契約調整担当部長 都の発注工事は、中小企業が受注する小規模工事の割合が大きいことから、直ちに社会保険未加入事業者を入札から排除するのではなく、国が許可業者の加入率一〇〇%達成の目標時期としております二年後の資格審査時を目途に、社会保険等への加入を入札参加の必須条件とすることといたしております。
 現在、加入促進用のチラシを入札情報サービスに掲載の上、受注者には直接手渡し、社会保険への加入を案内しているところです。
 事業者団体が進めている標準見積書は、従来の総額単価による見積もりとは異なり、小規模事業者も含め、法定福利費を別枠として明示するものでございます。
 これを受けて都は、下請事業者等の労働条件の改善を図る観点から、現在、低入札価格調査のヒアリングにおきまして、元請事業者に対し下請事業者から標準見積書による見積もりを受けているかを確認し、実施していない事業者に対しては、社内外での取り組み体制を構築し、標準見積書の徴取を促すよう働きかけております。
 今後とも、これらの取り組みを通じまして、公共工事の担い手確保につながる現場の労働条件、労働環境の改善を図ってまいります。
○中村委員 二年後をめどにということになりますので、これは他局になるかもしれませんけれども、事業者の方の育成ということも、都庁としても、ぜひとも連携しながら行っていただきたいと思っておりますし、また、働く人の視点という点から見れば、標準見積書の徴取を促すということではあるんですが、これはぜひとも制度として活用されるよう検討をお願いしたいと思いまして、次の質問に移ります。
 次に、第二次主要施設の十か年維持更新計画について伺います。
 都有施設は、都民サービスを行うための拠点であり、災害時には都民の安全を守るための重要な施設にもなりますので、計画的に維持補修が必要であり、計画を策定されたのはよいことだと思います。
 そこで、まず、今月発表された第二次計画に先立ち、平成二十一年二月に策定された第一次計画について、その達成状況を伺います。また、課題として何を捉えて第二次計画を策定したのか、あわせて伺います。
○室木建築保全部長 平成二十一年度を初年度といたします主要施設十カ年維持更新計画に基づき、計画的な施設整備を進め、既に六年が経過したところでございます。
 この六年間におきます計画の達成状況でありますが、予算ベースで見た場合、概算事業費八千三百億円程度の約六割に当たる約四千九百億円が予算化されるなど、おおむね順調に推移してきたと認識しております。
 また、計画策定から六年が経過いたしまして、例えば、公共建築物の長寿命化や再生可能エネルギーの利用拡大など、計画策定以降の新たな課題も発生しております。これらの課題に適切に対応するため、このたび、第二次の維持更新計画を策定したところでございます。
○中村委員 おおむね順調だったということですが、委員会からの要求資料で見ると、未着手のものも多くあることがわかりました。進んだものやおくれたものということがあって、トータルで順調だということなのかもしれませんけれども、これは二次の計画の方に、一次の方がどうだったのかということがちゃんと載っている方がわかりやすいと思いますし、これはもう決まったものだと思うんですが、今後計画をつくるときには、前の計画の達成状況等が見てわかるようにしていただければというふうに思います。
 また、近年、建築資材の高騰があり、入札の不調や事業費の拡大が起きていますが、第二次計画には、予定どおりの予算で予定どおりの事業ができたとありますが、影響はなかったのか伺います。また、第二次の計画には概算で七千五百億円とありますが、事業費の高騰が反映されたものなのか伺います。
○室木建築保全部長 維持更新事業の執行に際しまして、早期の事業着手に向け、条件の整った施設などについては、柔軟性を確保しながら、前倒しして事業着手してまいりました。
 一方、条件整備に時間を要し事業着手に至らなかった施設もあるが、こうした施設につきましては、業務に与える影響を抑えるため、引き続き早期着手に向けた検討や調整が重ねられており、条件が整い次第、事業着手してまいります。
 次に、第二次の維持更新計画におきます概算事業費につきましては、過去に実施された類似施設の維持更新費用などを参考にいたしまして、資材価格の高騰や労務費の上昇を加味して単価を設定したり、直近の建設単価を採用するなど、最近の建設環境を踏まえた単価に基づき試算したものでございます。
○中村委員 労務費の上昇を加味したとのことですので、先ほどの契約の質問にもかかわりますけれども、ぜひとも適切な見積もりをお願いしたいと思っています。
 さて、基準面積以下の場合の施設というのは、この計画には入ってはいないのでしょうか。維持更新をやらないということなのか、それとも必要ではないということなのか、全貌を示す必要があると思いますが、見解を伺います。
○室木建築保全部長 第二次の維持更新計画の策定に当たっては、老朽化の進行による更新施設の増加や、更新時期の集中が及ぼす影響を軽減するため、今後十年間の維持更新事業費の見通しを持った計画とする必要があります。このため、全体事業費に大きく影響を与える施設として、一定の経過年数や規模の適用範囲を定めまして、計画対象施設の絞り込みを行ったものでございます。
 なお、計画対象施設以外でも、老朽化などにより維持更新が必要となった場合には、各局で作成する事業計画の内容、現況調査などから、維持更新の必要性の検討などについて技術的な支援を行うなど、柔軟に対応してまいります。
 このような施設を維持更新する場合におきましても、本計画に示した趣旨を踏まえながら、長寿命化や環境対策を初めとしたさまざまな取り組みを進めてまいります。
○中村委員 都民の安全を守るために、都みずからの建物の建て直しには、その優先順位の説明もすることが必要です。例えば市区町村では、子供の安全を守るために、かつ住民の避難所になるので、学校の耐震化を役所の建物よりも優先させているところもあるようです。
 多くの民間建物の耐震化がまだ進んでいるとはいえない状況の中で、これは例えば美術館とかのように、居住とか安全とかに直接は関係しないような施設もあります。もちろん、そこに来館する方や働く人の安全ということも大事なんですが、優先順位をどのようにつけていくかということは大切だと思いますが、どのように考えるのか伺います。
○室木建築保全部長 第二次の維持更新計画における計画対象施設の整備時期などに関する優先順位につきましては、事務事業に責任を持ち、かつ施設を最も熟知している所管局で一義的に検討がなされたものであります。
 検討に当たりましては、施設の劣化状況はもとより他の事業との関連性、施設整備の与条件の整理状況、行政ニーズなどの判断要素を加味して行われたものでございます。
 財務局といたしましては、各局に対しまして一定の方針を示しながら、技術的支援や実現可能性などを調整いたしまして、今回の維持更新計画を策定したものであります。
○中村委員 各局での判断ということがあるとは思うんですけれども、ある局の最も重要なものという判断と、また別の局が最も重要なものとして挙げてきたものが同列であるということは限らないわけですから、例えば財務局が指導しながら、全庁的に見て、どれが一番本当に緊急なのかということの判断等することも大切かと思いますので、そういった視点も持っていただければというふうに思っております。
 また、公共施設は、都民がサービスを受けるために、そこに存在しているということが大切なこともあります。集約をするということなのかもしれませんが、集約をし過ぎて都民の利便性が落ちてはなりません。例えば、かつて三鷹市にもあった労働情報相談センターは国分寺市に集約されましたが、今回さらに八王子市の施設と統合して立川市に集約されます。もちろん統合されれば、そこに資源が集約されて質は向上するかもしれませんが、都民にとっては利便性も当然大切な要素です。そもそも公の施設は経済効率だけでは決められません。公共施設の集約と公的役割についての考え方を伺います。
○岩瀬財産運用部長 公共施設の配置に当たりまして、都民サービスを確実に提供するためには、その施設の特性を踏まえ、位置や規模等を判断していく必要がございます。
 一方で、費用対効果の観点も重要でございまして、都有施設が点在する地域におきましては、例えば施設を改築する機会等を捉えて合同庁舎化を検討することで、建築コストやランニングコストの縮減につなげていく工夫も必要と考えております。
 そのほか、建てかえを円滑に進めることで、切れ目のないサービス提供をしていく視点、あるいは集約により創出される用地を福祉インフラ整備など喫緊の課題解決に新たに活用していくことも重要でございます。
 こうしたさまざまな視点を複合的に捉えまして、具体的な配置を適切に判断していくべきものと考えてございます。
○中村委員 なかなか東京都の施設の場合、市区町村と違って範囲が広いので、それぞれの地域の声というのが反映しにくいものがあるんですけれども、ぜひともこういった都民の皆様の利便性ということは、ぜひとも加味して判断していただきたいと思います。
 さて、都の施設というのが、バブルのころに建てられた建物というのもいろいろありますけれども、例えば、時期はいろいろ前後しますが、都庁であったりとかビッグサイトとか、いろんなデザインが優位なものがあって、機能という点で、いろいろと、どうなんだろうかというふうに思うものもありますし、それは維持補修にお金がかかるという場合もあります。機能性を重視して、余りにも華美であるという必要はないとは思っていますし、これは更新計画の考え方に、後年度負担についても金額を明示すべきだというふうには思います。
 今、国立競技場で維持管理費がかかり、後年度負担が問題になっていますが、例えばオリンピックの施設でも、後年度の負担を少なくしようというふうに議論しています。個々の公共施設全体の維持管理費を示すとともに、今後の維持更新に際して、後年度負担の軽減にどのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。
○室木建築保全部長 今回の計画は、都有施設の改築や改修などの維持更新を計画的に実施するために作成したものであります。このため、施設の運用管理の段階におきます維持管理経費は対象外のため算定しておりません。
 しかし、維持更新後に要する維持管理経費の縮減も重要なことから、施設整備の設計段階においては、設備、間仕切りの変更などが容易となるよう、平面計画や設備計画に柔軟性を確保するほか、メンテナンス性にすぐれた材料や省エネルギー設備の導入などを図ってまいります。
 さらに、運用管理の段階におきましては、ライフサイクルコストの低減に資する予防保全型の維持管理を推進してまいります。
 これらの取り組みによりまして、将来コストの縮減に努めてまいります。
○中村委員 例えばこの都庁舎も、本当に後で維持の管理費もかかっています。少なくとも、大きな主要な施設等については、試算することも検討していただきたいというふうには思っています。そういう意味では、光熱水費ということも当然関係あるわけですし、エネルギーということも、そういった維持管理費の一つにはなってくると思います。そういう中で、省エネルギーや再生可能エネルギーというのは積極的に推進すべき施策でもありますので、今回、公共施設においても、その取り組みを進めることは重要です。この第二次計画には、その利用促進が記載されているのは当然ともいえます。
 そして、ここでは、まず、新技術の採用についての見解を伺いたいと思います。例えば、燃料電池などについては、知事が常々いっている水素社会の推進に寄与するものであり、都の建築物への導入検討が必要と考えます。現段階で実現性は低くても、技術革新が進み、数年先には導入環境が整うかもしれません。このような新技術の採用についての見解を伺います。
○妹尾技術管理担当部長 都は、都有建築物の省エネ化と再生可能エネルギーの利用を一層推進していくために、昨年六月に、省エネ・再エネ東京仕様を改正するなど、最新技術の反映に努めております。
 理事からお話のありました燃料電池につきましては、家庭用の燃料電池、いわゆるエネファームの普及に見られますように、社会的に認知されつつございます。
 都有建築物においても、施設の用途によっては燃料電池も検討の対象となり得ますが、現段階では、必要な出力やコストの点で、都市ガスを直接燃焼させて動力とするコージェネレーションシステムの方が有利な場合が多い状況でございます。
 しかしながら、燃料電池も含め、このような分野の技術は日々進歩しておりますことから、さまざまな新技術の動向を常に注視し、有効な技術については都有建築物の整備に反映を図ってまいります。
○中村委員 技術の方は日々変わっていきますので、ぜひともそういったところにも注目しながら取り組んでいただきたいと思います。
 さて、次に、多摩産材の活用について伺います。
 今は花粉症がひどい時期で、多くの都民が苦しんでいるため、その対策が求められています。花粉症の対策としての多摩産材の活用ということもあるかと思います。さきの予算特別委員会でも、民主党の総括質疑でも、花粉の少ない森づくりを含めた森林循環の維持に向けた都の認識ということを問いながら、知事からは、現行の花粉発生源対策を再構築し、来年度から新たな事業を開始するとの前向きな答弁も得られました。
 公共施設においては、積極的に多摩産材を活用していくことが大切かと思います。この多摩産材の活用について、第一次計画の建物ではどのような取り組みを行い、その成果はどうだったのでしょうか。あわせて、第二次計画ではどのように進めていくのか伺います。
○妹尾技術管理担当部長 多摩産材につきましては、これまで室内の壁や天井などの仕上げ材、家具やベンチなどの造作材、床の下地材などに使用しておりまして、財務局で施工した主要施設十カ年維持更新計画の対象施設における使用実績は、平成二十一年度から二十五年度までの合計で約五百立方メートルとなっております。また、今年度、平成二十六年度は約八十五立方メートルの見込みとなっております。
 都の基本方針であります東京都公共建築物等における多摩産材利用推進方針におきまして、施設の特性を踏まえて積極的に多摩産材を使用するものとされていることから、今後とも、各施設の整備に当たっては、その使用に努めてまいります。
○中村委員 都の施設で、こういったものを積極的に活用していくことはPR効果もあると思いますので、積極的に検討していただきたいと思います。
 先ほどのエネルギー、新技術の話も含めて、やはりいろんな取り組みを都が率先してやっていくということが、市場を先行していくこともありますので、そういったことも検討しながら、今後、この公共施設の維持管理計画を進めていただきたいということを申し述べまして質問を終わります。

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