2016/10/13 都議会民進党を代表して議案への討論を行いました。
都議会本会議で民進党を代表して行った討論は以下の通りです。
「私は、都議会民進党を代表して、知事提出の全議案に賛成する立場から、討論を行います。
まず、第152号議案、平成28年度東京都一般会計補正予算について申し上げます。
代表質問・委員会質問でも申し上げた通り、本案は、待機児童の解消や子育て支援策を一歩前進させるものとして、概ね評価します。
しかし、都議会民進党がかねてより繰り返し申し上げてきた通り、現状の待機児童対策では、潜在的ニーズも含めた待機児童の実態把握が十分ではなく、保育所の供給が新たな需要を呼び起こすという構造的課題への対応が行われておりません。
加えて、子育て支援の充実や、家庭と仕事の両立支援、保育士の処遇改善策など、包括的なパッケージでの家庭と子どもの応援施策の確立が不可欠です。
まずは、本補正予算を真に”すぐ利く・よく利く“対策として機能させること、そして、家庭と子どもに関する包括的な施策を早期に構築するよう、強く求めておきます。
次に、第154号議案、東京都知事の給料等の特例に関する条例について申し上げます。
知事の報酬は、恣意的に増減できないよう、東京都知事が審議会に諮問する仕組みとなっています。この仕組みについて、都議会民進党の質問に対し、小池知事は「知事の本来の給与水準は、毎年、民間のベースアップ等を考慮した審議会答申を踏まえた上で、都議会における審議をもって決定されているところであり、適切なものと考えている」旨の認識を述べました。
その認識があった上でもなお、知事は、都庁のトップである自らが身を切って初めて、これまでの延長線上ではない改革の実現に向けて、スタートすることができる、との強い決意、考えに基づき、今回の特例条例を提案しているとの答弁をされました。
都政改革の実現に欠かせないという、小池知事の考え方を尊重し、本条例案に賛成するものです。
次に、第179号議案、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について申し上げます。
八ッ場ダムの建設に関する計画変更案は、昭和61年の建設省告示以来、5回目となるものです。
前回、平成25年には、工期を4年延長し平成31年までとし、事業費は変更なしとする変更案が示されました。これに対し、都は、工期延長等によって事業費が増大しないよう求め、同意する旨を議会に諮りました。 私たちも、工期が延長されれば事業費が増えることが強く懸念されると指摘し、コスト削減に対する取り組みを求めてきました。
今回の変更案は、事業費が、4,600億円から5,320億円へと720億円増加するというものです。先の委員会でも申し上げたとおり、事業費の増加抑制・徹底したコスト削減が実行されるよう、都としても取り組むことを求めておきます。
次に、オリンピック・パラリンピックについて申し上げます。
私たちは、これまで大会費用の膨張は大きな問題であるとし、情報公開や説明責任を果たすこと、費用の削減を求めてきました。こうした中で、都政改革本部が提言した3つの恒久施設の整備見直しについては、既に工事が進捗している施設もあるため、早急な検討が必要です。
検討にあたっては、国際競技団体や国内競技団体をはじめ、JOCや選手からの意見聴取はもとより、大会までの準備スケジュール、建設中止による契約手続きなどの影響にも対応していくべきと求めておきます。
また、組織委員会の情報公開については、組織委員会の財政を保証している東京都として組織委員会への関与を強め、情報公開を徹底させていくことを強く求めるものです。
さらに、リオ大会での視察を踏まえ、調査結果報告書を取りまとめるとともに、都議会や都民に公開して、東京大会に大いに反映させるなど、大会成功に向け、広く都民国民の参画の下、積極的に取り組まれることを強く要望するものです。
最後に、豊洲市場移転問題について申し上げます。
私たちは、従来から一貫して、都民の食の安全・安心を第一に、豊洲市場用地の徹底した土壌汚染対策を求めてきました。 しかし、第8回地下水モニタリング調査結果で、5街区の3か所において、環境基準を超える有害物質が検出されたことは、憂慮すべきことと考えています。
市場用地が安心・安全な状態であることを確認できなければ、豊洲市場の開場を認めるわけにはいかないのは当然です。
今回の結果を深刻に受け止める立場から、早急に専門家会議を開催し、原因の特定や必要な対策など対応方針を示すとともに、市場関係者に対しては、ロードマップの提示を含めた丁寧で十分な説明・相談を実施することを求めます。
また、代表質問で求めていた、不透水層に穴があいていた問題や不透水層内から汚染が検出された問題などについても、改めて検証することを求めておきます。
豊洲市場の盛り土問題について、私たちの質問に対して歴代の市場長は「ガス工場操業地盤面から下2メートルの土壌を汚染の有無にかかわらず、すべてきれいな土と入れ替えることに加え、さらに2.5メートルをきれいな土で盛り土する」と答弁してきました。私たちは、この虚偽答弁を容認することはできません。
いつ、誰が、どのような理由で盛り土をしないことを決めたのかについて、9月30日、都の関係各局長などで作成した「自己検証報告書」が公表されましたが、その内容は極めて不十分です。 東京都の自己検証報告書では、盛土をせず、地下空間を作ったことが、「空気のように決定された」かのように書かれていますが、果たしてそうなのでしょうか。
経済港湾委員会に提出された”中間報告“を見ると、「設計会社が技術提案書に建物下に盛り土不要の記載」の一文が、その後、公表された自己検証報告書では削除されていたことが分かります。
この技術提案書に関して、設計会社が10月6日に発表した補足説明の中で、地下空間は東京都からの指示を受け、設計に反映したことを明らかにしています。
加えて、地下空間の設置が東京都の提案ではなく、あたかも技術会議が提案したかのような情報操作が行われたことも明らかになりました。
これらのことは、小池知事が再調査を命じ、都議会での追及がなければ、隠蔽されたまま葬り去られようとしていた事実であり、言語道断です。
私たちは、改めて盛り土問題の経過を含む、豊洲市場移転問題の真相を検証するため、当時の知事・副知事・市場長や担当者に加え、設計会社など、関係者の方々に参考人として協力を求めるなど、徹底した取り組みが必要と考えます。
そしてまた、経済・港湾委員会での議論を通じ、市場自ら真相を解明する意思はないとの認識のもと、都議会としても、この問題を総合的、集中的に検証していく必要があるものと考えます。
都議会民進党として、都政の信頼と信用を失墜させ、重大事となっている豊洲市場問題について、真相を解明し、安全対策を改めて検証する必要性から、豊洲市場移転問題の特別委員会の設置を主張しました。今後は特別委員会において徹底した真相究明を行い、食の安全の確保を図って参ります。
以上で都議会民進党を代表しての討論を終わります。」
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