> 都議会質問 > 都議会豊洲市場移転問題特別委員会 > 豊洲市場の安全性について質問しました

都議会質問記録

2016/12/02 豊洲市場の安全性について質問しました

○中村委員 それでは、本日最後の質問になりますので、重なるところもありますので、端的に指摘していきたいと思いますので、何とぞご容赦願います。
  豊洲市場の問題に関しては、議会や都民に万全の土壌汚染対策を行うと説明しながら、建物下に盛り土をせずに地下ピットをつくっていました。しかも、第八回地下水モニタリングにおいては、ベンゼンが二カ所、ヒ素が一カ所で環境基準を超えた結果が出ています。地下ピット内の大気に水銀が検出、測定もされました。
  専門家会議には事業者の方も来られていますので、説明と違う工法を行ったことに、都に対して、欺かれたと非難する声も上がりました。
  豊洲市場に移る予定であった築地市場の業者の皆さんが不安を払拭できるのか、さまざまな方々から豊洲市場に対するご意見が寄せられているとのことです。
  市場の主役は、日々、生鮮食品を取引する市場業者の皆さんです。食品は、小売、スーパー、飲食店などを通じて都内を初めとする全国の消費者に届けられます。安心して市場業者の皆さんが豊洲市場で取引できるのかどうか、不安を払拭し、科学的知見に基づいて事実を確認し、共通認識を持つ作業を、専門家会議などを通じて行っていかなければなりません。
  豊洲市場の建物下の地下ピットの現状を正確に把握し、追加対策によって安心・安全な市場にできるのかどうか、さまざまな内容を検討していくことが重要だと思います。
  それでは、いろんな項目がありますので、まとめて聞きたいと思っています。
  地下ピット内で指針値を超える最大七倍の水銀が五カ所から検出されました。気化した水銀を吸ったり、それが付着した食べ物を食べた場合、人体に影響がないのかと心配の声も、水銀という言葉の響きから、どうしてもあるのだろうというふうに思っています。
  そこで、この指針値というのはどのようなもので、これを超えた水銀が検出されたことで、何十年もそこで働く人に対しては、どのような影響があるのか伺うとともに、また、こういったことが、地下ピットの中で検出されるということの原因を把握していく必要性があると思っていますので、今後の都の対応について伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 水銀の指針値は、健康リスクの評価にかかわるデータの科学的信頼性に制約がある場合も含めて、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るために設定されたものでございます。
  なお、市場業者が働くエリアにおいては指針値を超えていないことから、市場内で働く人の健康に影響を及ぼすことはないと認識しております。
  通常の測定では地下ピット内のたまり水から水銀は検出されておりませんが、特殊な方法で定量下限値を下げることで、ようやく水銀の存在を確認しております。
  専門家会議では、地下水中の微量な水銀が空気中に気化し、滞留したと推定しております。
  今後は、地下ピット内を換気するとともに、地下ピット内にたまった水を段階的に排水しながら、空気中の水銀濃度を計測し、換気の有効性などを検証してまいります。

○中村委員 換気の有効性を確認するということでもありますし、要求した資料の中には、専門委員の意見の中には、経過を見る必要があるということも出ております。これはしっかりと正しい情報を伝えていくということかと思いますし、また一方では、水銀の原因もしっかりと把握をしながら、今後の対応の方を求めていきたいというふうに思っています。
  次に、補助三一五号線の高架橋下の土壌汚染対策について伺います。
  専門家会議の中でも、補助三一五号線下への懸念を表明した方もいらっしゃいました。アスファルト舗装下の砕石層で、基準値を超えるベンゼンと水銀を検出したとのことです。
  そもそも、この三一五号線の下の土壌汚染対策についての都の考え方を伺います。そして、その考え方を、過去の専門家会議や議会、都民にそれぞれどのように説明したのかを伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 補助三一五号線高架下については、六街区と七街区を結ぶ連絡通路を整備し、市場施設と一体的に使用することから、安全・安心に万全を期するため土壌汚染対策を実施したものでございます。
  工事は平成二十四年度に着手しており、平成十九年から二十年に設置されていた専門家会議には諮っておりません。
  議会に対しては、平成二十五年三月の経済・港湾委員会で工事請負契約について報告し、質疑を行っております。
  また、市場業界や都民、学識経験者などで構成される土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会において、平成二十五年十月に対策内容を説明しており、その資料についてはホームページ上で公表しております。

○中村委員 議会にも報告はされていたということではあるんですが、この三一五号線の下の土壌汚染に関する調査をどのようにするかということは、これまで聞いたことはありませんでした。
  今回、これは指摘を受けて調査したということなのか、それとも、観測孔があるということですから、もともと定期的な調査の予定だったのか、その点について伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 観測用人孔は、安全確保のため設置したものであります。
  今回、専門家会議において対策の有効性を調査検討することになったことから、専門家会議からの指示に基づき測定を行っております。

○中村委員 三一五号線の下にはガス管があり、汚染は除去できなかったということです。
  これは、どの程度除去ができていて、どのくらいまで汚染が残っているのかということを伺うとともに、また、ほかの場所では、建屋下などでは汚染を除去したという前提で、安全のために盛り土をしようということなんですが、この三一五号線の下の対応というのは封じ込めをしようということのようなんですが、その判断はどういうことなのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 ガス中圧管や橋脚といった既設構造物に影響を与えない範囲で、可能な限り汚染土壌を掘削除去しております。
  なお、結果として汚染土壌は残っておりますが、第二回の専門家会議で行った空気測定の結果、道路上や連絡通路内では基準値以下で、土壌汚染対策の封じ込めの効果を確認しております。
  補助三一五号線高架下については、ガス中圧管や橋脚といった既設構造物があることから、それらに影響を与えない範囲で汚染土壌を除去し、その上で舗装や遮断層による封じ込めを実施しております。

○中村委員 三一五号線の下は封じ込めということですから、ほかの箇所とは対応が違うようです。
  それがゆえに、豊洲市場と補助三一五号線間の遮水壁の貫通部への懸念ということもいわれているようですが、都はどのような対策を講じたのか伺います。

○佐藤中央卸売市場施設整備担当部長 下水などの配管が敷地内から道路側へと貫通する遮水壁貫通部におきましては、鋼製ボックスを遮水壁である鋼管矢板に溶接いたしまして、その中に横断管を挿入して、鋼製ボックスとのすき間をエアミルクなどのセメント系材料で充填することで、鋼管矢板と横断管を一体化してございます。
  さらに、鋼製ボックスの周囲は防護コンクリートで囲いまして、鋼管矢板に密着をさせてございます。
  このように施工を行っていますことから、鋼管矢板と一体となり、同等の遮水性を持つものと考えてございます。

○中村委員 ここは封じ込めということで汚染除去されていないということですから、今回については、ここは対応しているということなんですけれども、今後もこういったところをしっかりモニタリングしていただきまして、汚染が漏れていかないように注意していただければと思っています。
  また、次に、地下水の管理システムについても伺います。るる質問も出たのですが、若干まとめて質問させていただきたいというふうに思っています。
  地下水の管理システムは、専門家会議では有効に機能しているということでいわれていますが、まだ地下ピットに水がたまっているということでもあるので、どういう判断でこれをしているのか、根拠について伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、十月十四日から本格稼働を開始しております。
  地下水位は、一日単位で見れば上昇した箇所もありますが、大きな傾向で見れば、十月三日の水位観測開始からは着実に減少しております。
  先月十二日の第二回専門家会議において、地下水管理システムの機能として着実に水位を下げているという評価をいただいております。

○中村委員 APプラス一・八メートルまでということですが、盛り土をしないとAPプラス二メートルまで二十センチで、すぐに来てしまうのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
  管理水位設定の前提となる降雨量についても伺いたいと思います。特に、昨今の都市型集中豪雨など、最大雨量をどのように考えて管理水位を設定したのか伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 地下水管理システムは、過去のデータから、降雨量の多い長雨、台風、集中豪雨を対象降雨として、地下水を一定水位に管理できるように設計してございます。
  地下水管理システムは、豊洲近傍で百四十年間の降雨情報から、時間最大、一日最大、三十日間最大の降雨においても、降雨時の管理水位であるAPプラス二メーター以下を保てるように設計されております。
  本設計に当たっては、二〇一〇年七月五日に発生した板橋豪雨についても解析対象降雨としており、昨今の都市型集中豪雨に対する検証も行っております。

○中村委員 地下水がたまっているということなんですけど、見た目にも余りよくなくということで、知事も記者会見でもいっておりました。
  こういったことの対応をしっかりする必要があると思うんですが、今後の地下水の水位低下に向けた都の対応を伺います。

○村井中央卸売市場基盤整備担当部長 先月十二日の第二回専門家会議において、地下水管理システムの機能として着実に水位を下げているという評価をいただいております。
  現在、地下ピット内の強制排水について準備を進めており、今後とも地下水管理システムの適切な管理を行ってまいります。

○中村委員 次に、プロジェクトチームについても伺いたいというふうに思っています。
  十月二十五日に、第二回のプロジェクトチームにおいてコンクリートの厚みや床積載荷重において同意したということでありました。
  このプロジェクトチームは、そもそも、そういう同意をするという権限がどのようにあるのかというのを伺いたいと思います。特に、弁護士の方や経営戦略の専門の方など、必ずしも技術が専門の方ばかりではないということですから、いろんな方が入っている中で技術的なことを同意したということなわけですから、どのような判断になっているのかということを伺いたいと思います。

○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームは、地方自治法に規定された専門委員で構成をされております。
  本プロジェクトチームを構成する専門委員は、その職務として、知事が委託する事項である築地市場から豊洲市場への移転、市場のあり方に関することを調査研究し、知事に報告を行うものでございます。
  市場問題プロジェクトチーム会議は、専門委員が知事へ報告を行うまでの審議の過程を公開しているものでございます。

○中村委員 いずれにしても、このプロジェクトチームにしても知事に対して報告を行うということで、最後に判断をされるのは知事だということになりますので、しっかりと意見を上げていっていただいて、知事が責任を持って判断することということだというふうに思います。
  次に、このプロジェクトチームに至る関係なんですけれども、事業者の方々からはいろんな、さまざまなご意見等がありました。床が抜けるのではないかといったような不安であったりとか、のこぎりがひけないとか、ターレが走りにくいとか、いろんな多くの意見が出されたということが報じられています。
  これまで東京都は、どのようにこの関係者の方々の意見を聞いてきたのか伺います。

○赤木中央卸売市場移転調整担当部長 豊洲市場の開設に当たりましては、平成十四年四月に市場業界の団体との協議体でございます新市場建設協議会や新市場建設懇談会を設置いたしまして、またさらにその下に街区や業種に応じた検討会や部会を設けまして、長年にわたり協議を重ねてまいりました。
  また、その後、基本設計や実施設計を作成する際には、実際に施設を利用される市場業者を交えた協議体といたしまして、同じく街区や職種に応じた分科会や部会を設けて協議をいたしまして、市場業者の方々の要望につきましても、それぞれ基本設計や実施設計に反映してございます。
  さらに、市場業者の皆様が店舗や事務室の造作工事を行う際に当たりましては、平成二十七年四月から、築地市場内に設置しました造作相談室におきまして、個々の事業者の方々の要望や店舗、事務室の区画に即しまして、事前相談や設計アドバイスを行ってまいりました。

○中村委員 たくさんの方々がいらっしゃるわけですけれども、ぜひとも丁寧にお話を聞くということは常にやっていただきたいと思っています。
  さて、プロジェクトチームとして十一月十五日にヒアリングを行ったということですが、どういった意見が出されたのでしょうか。また、都としてどういう判断をして、どう対応するのかも伺いたいと思います。
  また、今回のヒアリングについてはインターネットによる抽せんということだったようなのですが、どのくらい応募があり、実際には何人から話を聞いたのか、あわせて伺います。

○池上総務局都政改革担当部長 事業者ヒアリングでは、水産仲卸売り場棟のターレスロープや入り口の車路の安全性、水産卸売り場棟のバースの不足や買い回り動線に関する意見などが挙がりました。
  事業者ヒアリングでいただいた意見を踏まえ、市場問題プロジェクトチームでは、豊洲市場の施設の安全性、機能について調査検討していくこととしております。
  また、ヒアリングの参加者についてでございますけれども、築地市場の現場で働く業務従事者を対象に募集したところ、五十八名の応募がありまして、インターネットの抽せんで二十五名が参加されました。
  ヒアリングでは、これに加えて、築地市場内の各団体からの推薦者と合わせて四十六名が出席され、十五名の方からご意見をいただきました。
  また、ヒアリングにおいていい足りなかったこと等につきましては、ご意見いただけるようにと、専門委員の判断により、参加者にアンケートを配布したところでございます。

○中村委員 今後も市場関係者の方々の意見を丁寧に聞く機会をつくっていただきたいと思っています。
  また、せんだっての三十日には、報道各社の方々に豊洲市場の公開をしました。市場の現況を明らかにし、事実を報道していただくことも重要です。
  盛り土がなかったとの報道があった後も、都から積極的に真相究明や情報公開をしようという姿勢が欠けていたのではないかと思います。これは、必ずしも、過去の盛り土をしなかった問題というだけではいい切れません。信頼回復のための情報公開、都政改革が必要になります。
  都議会民進党から、知事に対して九月二十六日に徹底的な検証など八項目の申し入れをしましたが、その中にも情報公開の徹底や、マスコミによる取材にも積極的に協力を求めました。きちんと情報公開することというのは風評被害の防止にもつながると思いますから、これはきちんと、都民に対しても、またマスコミに対しても行っていただきたいというふうに思っています。
  今後、科学的な安全だけではなく、都政の改革、情報公開を進めて、都民の信頼回復を図ることにも取り組むことを求めて、質問を終わります。

ユーティリティ

都議会質問内検索

Search

過去ログ