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都議会質問記録

2016/12/12 2020年に向けた実行プラン、熊本地震支援等について質問

都議会総務委員会で政策企画局、総務局に質疑を行いました。報告を受けた、2020年に向けた実行プラン、熊本地震支援の記録、監理団体経営目標の達成状況・経営実績について質問を行いました。都政の改革や都民の安全安心を守る立場から議論しました。

政策企画局への質問

 

○中村委員 それでは、二〇二〇年に向けた実行プランについて伺います。
 知事は、長期ビジョンを継承し、その実行計画として策定を図っています。とはいえ、人がかわれば、政策が全く同じというわけではないので、実質的には長期計画の変更ともいえます。そうした点では、幅広く意見を聞いて、しっかりとしたものをつくっておく必要があります。
 今回は、コンセプトと主要政策の方向性のみの公表と都民意見の募集でしたが、十二月末にプランそのものが確定するなら、恐らく、かなりの分量の計画そのものの策定も相当程度進んでいるのではないかと推測されます。既にある長期ビジョンの単なる実行プランではなく、実質的な長期計画の変更とするならば、全文とはいわないまでも、もう少し具体的な内容を公開して、都議会や市区町村、都民からの意見を広く募っていただきたかったと思います。
 さて、今般、実行プランを策定するに当たり、今の長期ビジョンにおける政策の実施状況を事後的にチェックし、どのような成果や課題があったのか把握した上でなければ、次の実行プランにはつながらないと考えます。
 また、実行プランにおいても、今後、いわゆるPDCAサイクルを回して事業の着実な実施につなげていくことが重要と考えますが、所見を伺います。
○小室計画部長 実行プランは、長期ビジョンが示す政策の大きな方向性を継承しつつ、三つのシティーを実現し、新しい東京をつくることを策定の目的としております。
 長期ビジョンで計画化されている事業につきましては、適切に進行管理を行っており、各局と課題を共有しながら、政策企画局においてヒアリングを実施し、その進捗状況や成果等を検証し、必要な見直しを図った上でプランの事業として選定しております。
 また、実行プランにおきましては、長期ビジョン策定後の社会経済情勢や都民ニーズの変化等を的確に把握し、それに即した政策を展開するため、政策を具体化する個々の事業におきまして新規拡充を図ってまいります。
 さらに、PDCAサイクルの概念を強く意識し、可能な限り政策目標を数値化して設定するとともに、政策の工程表をより詳細に作成し、PDCAを適切に実施する仕組みを計画の策定段階から組み込んでまいります。
○中村委員 計画は、単に策定するのではなく、それに盛り込まれた具体的な事業をしっかり進めていくことが大切です。PDCAサイクルを活用した着実な事業実施を求めます。
 次に、事業費について伺います。
 実行プランは四カ年の政策展開を示すものですが、都民への説明という観点から、その予算、事業費についても明らかにすべきであり、実行プランではどのように示されているのか伺います。
○小室計画部長 実行プランは、長期ビジョンにおける三カ年の実施計画にかわる新たな計画として策定するものでございます。平成二十九年度以降の四カ年の具体的な政策展開を図ります。
 このため、現在の三カ年の実施計画と同様、実行プランにおきましても、四カ年の事業費を示していくとともに、おのおのの政策の四カ年の工程表をより詳細に作成することで、今後の政策の展開がわかりやすく都民の皆様に伝わるようにしてまいります。
○中村委員 都民の皆様に都政を理解していただくには、都政の見える化が鍵であり、四カ年の事業費や政策の進行の工程表をしっかりと都民に示し、都政がどのように展開をしていくのかを都民に伝えることは重要です。
 さらにつけ加えれば、本来は、長期ビジョンにおいて掲げた政策のうち、どの政策が引き継がれ、または廃止になり引き継がれなかったのかなど、実行プランにおいて、事業費も含めて都民に明らかにすべきであることを申し述べておきます。
 次に、局横断的な取り組みについて伺います。
 行政が示す政策はいつも縦割りでわかりにくいという住民の方々からの意見は変わることはありません。都民の側から見れば、組織のあり方は関係ないわけですから、大事な政策ほど組織の縦割りを排し、横断的な展開を図るべきです。
 例えば、知事の公約である女性の活躍推進は、待機児童対策や女性の就労支援など、組織の垣根を越えて取り組むべき課題です。実際には、普及啓発は生活文化局、待機児童対策は福祉保健局、就労支援は産業労働局とそれぞれ分かれていて、各局が連携して取り組まなければ推進はできません。
 このような行政課題については、今般策定する実行プランは都の総合計画であることから、積極的に組織横断的に政策を展開すべきであると考えますが、所見を伺います。
○小室計画部長 二〇二〇年に向けた実行プランは、都民ファーストの視点から、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーの三つのシティーを実現し、新しい東京をつくるため、都のさまざまな政策を総動員してまいります。
 委員のご指摘がございました女性の活躍推進を初め、外国人受け入れのための多言語化対応、ユニバーサルデザインのまちづくりなど、組織横断的に取り組んでいかなくてはならない課題は大変多うございます。
 そこで、実行プランでは、全庁的な視点に立ち、こうした組織横断的課題を的確に把握し、各局の連携のもとに政策化して計画に織り込むことで効率的な政策展開を図ることを促し、都民サービスの向上につなげてまいります。
○中村委員 組織横断的な課題こそ、しっかりと都の総合計画である実行プランに位置づけ、関係部局が連携して取り組むことで、真の都民のための都政が展開されると思います。
 最後に、格差是正の政策について伺います。
 都政については、東京二〇二〇年大会の成功はもちろんのこと、都民生活の質を高める政策を着実に実施しなければなりません。
 今、正規雇用の三分の一にも満たない非正規雇用の収入や、将来の格差にもつながる子供の貧困、教育格差など、厳しい現実があります。
 都民一人一人があすへの希望を持ち、努力が報われる東京にするため、負の連鎖を断ち切る政策を実行すべきであり、実行プランにおいて、格差是正、都民の幸福向上等を盛り込む必要があると考えますが、所見を伺います。
○小室計画部長 都民の誰もが希望と活力を持って生き生きと活躍できる社会、それがダイバーシティーの目指すところであり、それは誰にも平等にチャンスがあり、そのチャンスを生かし、みずからの希望をかなえていける社会でございます。
 実行プランでは、家庭の経済状況などに左右されることなく、全ての子供が未来のためにみずからの意思で学べる教育環境の整備を進めるなど、ダイバーシティーの実現に向けて四カ年の具体的な政策展開を示してまいります。
○中村委員 平等なチャンスとか経済状況に左右されないなどが示されることはよいとは思いますが、ただ、現状の認識がしっかりされていなければなりません。格差という言葉を使って質問したのですが、それに対する答弁では、この言葉は使われませんでした。残念ながら格差は存在している以上、まずは現状をしっかりと踏まえて政策を策定していただきたいと思います。
 また、長期ビジョンを策定した前の知事は、公私混同問題で辞職するという汚点は残しましたが、それ以前の都政において重視されなかった人権や国際化、男女平等参画等が進展し、非正規雇用の正規雇用化について初めて数値目標が掲載されるなど、評価すべき点もありました。ぜひこうした政策は後戻りすることなく、さらに一層進めていただきたいと思います。
 よいものは継承し、変えるべきものは変えることで、真の都民のための政策が実現するプランになることを求めて、質問の方を終わります。

総務局への質問

○平成28年熊本地震支援の記録について

 

○中村委員 最初に、熊本地震支援の記録に関して質問します。
 ことし四月に、二回の震度七の大きな揺れを含む熊本地震が発生し、都からも千五百名を超える職員が現地で活動されたとのことで、心から敬意を表します。
 当然、熊本への支援が目的ですが、それにより都の職員の皆様にも災害への対応という経験値が大いに増し、都の震災対策に生かすことができます。まさに記録の副題にあるとおり、都の防災対策の実効性向上に向けて、都民の安全・安心に生かしていただきたいと思います。
 東京で高い確率で起こるとされる首都直下地震では、熊本に比べてはるかに大規模な被害が想定されており、熊本での事態を深刻に受けとめる必要があります。
 そこで、熊本地震での教訓を踏まえて、それを都の防災対策などにどう生かしていくのか伺います。
○小林防災計画担当部長 熊本地震の支援の経験等を通じて得られた教訓を整理し、組織全体で共有し、都の取り組みに反映していくことは、都の防災対策の実効性を高める上で極めて重要でございます。
 今回の地震では、発災後の混乱の中で、災害対策本部の機能を維持することや円滑に避難所運営を行うことの難しさなどが、改めて課題として浮き彫りになりました。
 都では、今回の教訓を踏まえ、災害対策本部の強化や応援受け入れ体制の構築など、取り組みの具体化を進めますとともに、訓練等を通じた検証を行っていくことで、都の災害対応力をさらに高めてまいります。
○中村委員 都でもこれまで、計画をつくり、訓練を繰り返していますが、当然のことながら、実際は計画や訓練のとおりにはなりません。記録にも、現場で得た教訓や、被災自治体や応援職員の声が掲載されています。実際の体験からの教訓は貴重であると思いますが、都は、熊本に比べて規模が圧倒的に大きく、想定し得ないことが起こり得るとして、まず、最大限想定できる対策をとっておくことだと思います。
 熊本では、全国から支援物資が集まり、多く集まりながらうまく分配できないということもあったようですが、東京では、そもそも大規模な人口に必要なだけ届くのか、都から市区町村に届くのかなどの課題もあります。今年度、都が国から購入した立川防災倉庫の活用を含めた物流の流れを早期に構築することが必要です。
 もちろん、物資が行き渡るまでに自助にならざるを得ないという点で、家庭での備蓄が重要です。
 今回の都の報告では、熊本市のアンケートでは、家庭内で備蓄を行っている世帯は約三割と、十分な備えがあるとはいえない状況でした。自宅避難でも避難所でも、物資が必要な量確保されるとの保証はありません。
 都内でも家庭などでの備蓄は進んでいないとの話も聞きますが、都として都民の備蓄をどのように進めていくのか伺います。
○和田防災対策担当部長 大規模災害が発生した場合、自宅に被害のない多くの都民は、食品などが入手困難となる中で、身の回りにあるものだけで生活することとなるため、自宅での備蓄が重要であります。
 都民の自宅での備蓄については、熊本市のアンケートと単純に比較はできませんが、三日分以上の備蓄をしている都民の割合は、都の調査で約六割となっております。
 都は、自宅での備蓄を進めるため、平成二十七年度から都民の備蓄推進プロジェクトを開始いたしました。ふだん使っている食品や日用品を少し多目に備えておく日常備蓄という考え方を提案し、リーフレットやポスターなどによる広報活動や関連イベントなどを実施しております。
 引き続き、日常備蓄についてのさまざまな普及啓発の取り組みを進めてまいります。
○中村委員 三日分以上の備蓄が六割という数値は、避難訓練に参加をしている人の数から考えればかなり高いとは感じますが、日常備蓄という点で質問すれば、買い物で三日分ぐらいまとめて買い物をすることがあると思いますので、実際に水道や電気、ガスなどのライフラインがとまっても、三日間食べて生活できるような中身の充実も含めて、さらなる普及啓発をお願いします。
 一方で、震災時に備えて、企業等についても従業員向けの備蓄品を準備しておく必要があります。
 都は、帰宅困難者対策条例を二〇一二年三月に制定し、一年間の周知期間を経て二〇一三年四月に施行されました。事業者に対して、全従業員の三日分の水や食料の備蓄を努力義務化しました。
 条例制定から三年近く経過しましたが、東京商工会議所がことし五月に会員企業に行った防災対策に関するアンケートを見ると、三日分以上の備蓄は四八・〇%と半分を割り込んでいます。一、二日分の備蓄は三七・一%で、合計すると、何らかの備蓄をしている企業は八五%程度です。とはいえ、継続して普及啓発をしていかなければ、きっかけがないと率は上がりませんし、賞味期限が来て買いかえなければ、比率は下がるおそれもあります。
 そこで、都は、企業等に対して従業員向けの備蓄を確保するよう積極的に働きかけていく必要があると考えますが、見解を伺います。
○和田防災対策担当部長 都では、広く都民や事業者に対し、発災時にむやみに移動を開始せず、会社などに三日間とどまっていただく一斉帰宅の抑制を呼びかけており、そのためには、事業者が三日分の備蓄品を確保しておく必要があります。
 都はこれまで、事業者に対し、防災に関する講習会などの場を通じて啓発活動を行うとともに、事業者向けに作成した東京都帰宅困難者対策ハンドブックを配布することなどを通じて、従業員向けの備蓄品の確保を呼びかけてきました。
 都は、今後も、事業者に対し従業員向けの備蓄の必要性について普及啓発を図ってまいります。
○中村委員 事業者の備蓄は帰宅の抑制のためですが、首都直下地震の場合には、帰宅したくてもできないことも起こり得ますから、努力義務とはいえ、条例に定めているので、今後も普及啓発に努めていただきたいと思います。
 さて、災害時に住民への適切な情報提供は極めて重要です。
 災害の際に恐ろしいのはデマです。熊本でも、動物園からライオンが逃げたとのデマが流れたと報道がありました。デマを信じて避難先から自宅に戻った人もいたと報じられ、もし戻ったときに、二度目の大きな揺れが来て亡くなった人がいたかもしれないと思うと、極めてその罪は大きいといえます。
 こうしたデマは、一歩間違えば人命にかかわりかねません。デマの発生、流布を防ぐためにも、発災時の適切、正確な情報発信が重要と考えますが、都としてどのように対応するのか伺います。
○梅村総合防災部長 災害発生時におきまして、都民の冷静な行動を促し、二次被害を防止するためには、正しい災害情報を迅速、的確に提供することが重要でございます。
 そのため、都では、発災時に、被害情報や交通状況、混乱防止の呼びかけなどの広報を、報道発表のほか、ホームページやツイッターを活用して実施することとしております。
 また、平常時におきましても、災害時に正しい情報を得ることの重要性や、情報の具体的な入手方法に関する普及啓発も行っております。
 こうした取り組みを通じまして、発災時における都民の混乱防止、さらには災害対応力の向上につながるよう、適切な情報発信に取り組んでまいります。
○中村委員 ライオンの話も報道で見たのですが、インターネットでデマが流れた後で、インターネット上では、デマらしいということで打ち消す情報も流れて収束していったようですが、そのネットを見た人が口コミで広げた情報は容易に収束しなかったとも報じられていました。
 非常事態になると情報が錯綜しますし、あってはならないことですが、こうしたデマがインターネットと口コミが複雑に絡み合って起き得るものだとして対応を想定しておくことも必要だと思いますので、よろしくお願いします。
 さて、熊本地震の教訓では、被災自治体の職員が必ずしも参集できず、すぐに対応できなかったとも聞いています。東日本大震災では、東京は震度五弱で、交通インフラ自体に被害はなかったのですが、交通が麻痺しました。首都直下地震の場合、交通機関が麻痺し、遠距離からの参集が困難になることも想定され、初動体制の確保が大きな課題となります。
 熊本のことは、決して他人ごとと考えてはなりません。これらの事態を踏まえた都の見解を伺います。
○梅村総合防災部長 都では、災害発生時に遅滞なく必要な対応を行えるよう、災害対策住宅に入居する職員が直ちに参集し、初動体制を確立することとしております。
 また、大規模災害発生時には、各職員が任務に応じ、あらかじめ定められた場所に参集する体制を構築しており、こうした体制の実効性を高めるために参集訓練を毎年実施するなど、職員の意識向上を図っております。
 今後とも、訓練等を通じまして職員の防災意識を高めるとともに、熊本地震の教訓も踏まえ、参集体制の実効性の確保を図るなど、職員一丸となった災害対応力を強化してまいります。
○中村委員 災害対策住宅に住まわれる方は、その職にある期間は自宅にもほとんど帰れないでしょうから、本当に大変だと思います。
 一方、いざ災害になれば、防災担当の職員だけではなく、全ての都庁職員が対応せざるを得ないのですが、都内に住んでいない職員も多いと聞きます。体制が万全に整わなくても、そこにいる人が担当するしかないので、総合防災部以外の全ての都庁の職員に、日常的に防災への高い意識を持っていただくことも大切です。ぜひ職員の研修などでも防災への意識を高めていただきたいと思います。
 また、経験することは大変大きいので、知識の共有は必要ですが、直接、熊本や東日本大震災で貴重な経験をした職員や、総合防災部に所属したことがある職員などの経験のある方々は貴重な存在です。震災時には活躍してもらえるような仕組みについても検討することはあってよいかと思います。
 いつ来るかわからない東京での震災に、これまで以上に備えていただくことを求めて、次の質問に移ります。

〇監理団体経営目標の達成状況・経営実績

○中村委員 次に、報告事項である監理団体の経営目標の達成状況、経営実績に関連して質問します。
 都政改革という点では、いわゆる外郭団体についても、より都民のための組織に変わっていかなければなりません。
 私は、都が行う公共的な役割について都とともに行う専門的な団体としての監理団体の必要性はあると思っています。ただ、都が出資したり、仕事を委託しているため、常に都と同様に都民から見ることができ、理解される運営がなされなければなりません。そのため、決して甘い評価ではなく、厳しくチェックすることで都民への説明責任を果たしていくことが必要です。
 今回報告された内容を見ると、監理団体の評価が正しく行われているのか疑問です。もともとどのような役割をする監理団体であるかしっかりと踏まえて、的確に評価すべきです。
 定量的に数値で評価するのは簡単ですが、例えばセミナーを何回やったかとか、何人来たかなど、セミナーを開催するのが目的の団体ではないので、そのことそのものも大切でしょうが、その団体全体の評価とはいえません。
 目標について、各団体は定量的な指標を設定していますが、団体の本来の役割を踏まえた目標になっていないのではないかと考えますが、見解を伺います。
○佐々木行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 本経営目標評価制度は、監理団体改革の一環として平成十三年に導入し、適宜、必要な見直しを行ってきておりまして、平成二十七年度には、明瞭かつ簡潔な制度となるよう、定性値から定量値とするなど、現在の仕組みに改善をしたところでございまして、重点目標とチャレンジ目標により構成をされてございます。
 各団体は、重点目標としまして、都民、利用者、また財務の視点から、それぞれの経営計画等の中で重点的に取り組むものを目標として定量値を設定しておりまして、各団体の本来の役割を踏まえたものであると認識をしてございます。
○中村委員 言葉だけの問題かもしれませんが、監理団体の評価も、以前は四段階のS、A、B、Cを、三段階のS、A、Bにしたようです。しかし、普通、三段階評価ならA、B、Cです。ほとんどの団体が今回Aであり、Bの団体はありませんというと、よい印象に受けとめられますが、Aはこれでは普通の評価でしかありません。身内に甘い評価方法は、次の制度では改めていただきたいと思います。
 また、三十三団体全てに重点目標を立てさせて評価をしていますが、さらにチャレンジ目標を設定させるとのことです。しかし、設定しているのは、三十三団体中八団体しかありません。
 重点目標については全ての団体が達成し、そもそも目標の設定が甘いのではないかと思います。その上で挑戦すべきチャレンジ目標は設定しないというのであれば、向上しようとする気がないといわれてしまいます。
 そこで、チャレンジ目標を設定しない団体があることについて、その理由を伺います。
○佐々木行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 チャレンジ目標は、団体のより一層の努力によって初めて実現可能な、高い水準で設定を行うものでございます。
 今回、三十三団体中、約八割の団体から目標の提出がありましたが、真にチャレンジ目標にふさわしい水準であるかなどの観点から総務局において調整を行い、副知事をトップとする監理団体改革推進委員会の承認を経て、最終的に八団体が設定することになったものでございます。
○中村委員 八割の団体がチャレンジ目標の提出があって、ふさわしい水準の八団体だけになったとのことです。
 しかし、目標はふさわしくないからといって立てないのはおかしなものです。適切な内容と高い目標を立てさせ、質の向上につながるようにしていただきたいと思います。
 現在、監理団体改革の一環として、制度の見直しに向けた検討を進めているとのことです。常なる改革のため、不断の見直しは必要ですが、見直す理由と方向性を伺います。
○佐々木行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 本制度を通じまして、監理団体がみずからの取り組みを検証し、経営改善等につなげていくこと、また、監理団体の取り組みに対する都民の理解を得ていくことが重要でありまして、こうした観点から、適宜、制度の見直しを図ってきたところでございます。
 現行制度を運用する中で、目標設定等の妥当性のさらなる向上などの課題が見られますことから、制度を見直す必要があると考えてございまして、外部の視点等を踏まえた目標設定の仕組み等についても早急に検討を進めてまいります。
○中村委員 今年度については経営評価は行わず、来年度から新制度での運用を図る予定としています。
 しかし、制度を変えるから、ことしは評価しないというのはおかしな話です。制度が変わろうとも、今年度も評価をすべきだったのではないでしょうか。今から今年度の目標を立てることはできないにせよ、今年度の監理団体の評価は、何らかの方法できちんと行っていただきたいと思います。
 さて、都では、情報公開や入札改革を進めるとしています。監理団体も同様に、情報公開や入札改革を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
○佐々木行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 監理団体は、都政の現場を支える重要なパートナーでございまして、団体経営の透明性を高めていくことは重要との認識のもと、都はこれまで、経営情報の公開や団体の契約制度の見直しなど、さまざまな取り組みを指導してまいりました。
 経営情報につきましては、予算、決算などの財務に関することや、人事給与等、役職員に関することなどについて毎年度公開するとともに、契約制度につきましては、平成二十年三月に契約に関する指導監督指針を策定いたしまして、契約類型の整理等に加え、契約情報等の公表も行っているところでございます。
 今後とも、監理団体に対する都民の理解を高めていくため、不断の取り組みを推進してまいります。
○中村委員 監理団体については、いわゆる天下りなど、従来から厳しい指摘があったわけですが、豊洲の問題などもあり、都政そのものに対する都民の目がこれまで以上に厳しくなっています。今後、監理団体として存続していくこと自体が、都民の理解がなければ成り立たないというくらい厳しい認識を持って取り組む必要があります。
 今後、監理団体にもより一層の透明性、公平性のある運営がなされる仕組みの構築を求めて、質問を終わります。

 

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