> 都議会質問 > 都議会本会議(文書質問) > 重症心身障がい者支援、自主避難者支援を文書質問提出

都議会質問記録

2016/12/15 重症心身障がい者支援、自主避難者支援を文書質問提出

都議会定例会最終日にあたり本会議が開会されました。冒頭、議長から、本会議場での質問に代わり行う文書質問「重症心身障がい者の支援について、自主避難者の住宅支援について」が正式に都に提出されたことが報告されました。

1 重症心身障がい児者の支援について

 重症心身障がい児者の支援について伺います。重い障がいのある方々が生活をしていくために、施設やサービスのより一層の充実を求める声があります。誰もが安心して暮らせる社会に向けて、より一層の支援を行うことが必要であり、以下質問します。

質問1-1 重症心身障がい児者について、都内にどのくらいの方がいるのか伺います。

回答1-1 平成27年9月の国の社会保障審議会資料によれば、全国の重症心身障害児(者)の推計値は約43,000人であり、全国人口に対する東京都人口の比率で計算すると、都内の重症心身障害児(者)は約4,300人と推計されます。

質問1-2 支援する施設が足りないとの声がありますが、現状で都内にどのくらいの施設があり、定員は何人か伺います。また、どのくらいの方が入所施設に入れず待機しているのか伺います。

回答1-2 都内の重症心身障害児(者)通所施設は、平成28年12月1日現在、医療型と地域施設活用型を合わせて46か所、定員は601人です。
 また、都内の重症心身障害児(者)入所施設は、平成28年12月1日現在、9か所、定員は1,135人であり、入所に係る待機者は、平成28年3月末現在で577人となっています。

質問1-3 今後、施設の整備を促進する必要がありますが、都の取り組みを伺います。

回答1-3 都は、重症心身障害児(者)が地域で安心して暮らすことができるよう、「障害者・障害児地域生活支援3か年プラン」において、平成27年度からの3年間で130人分の定員増を目標に掲げ、整備費の特別助成を行うなど通所施設の設置を促進しています。
 社会福祉法人等が入所施設の整備を行う際には、障害者(児)施設整備費補助事業により支援しています。

質問1-4 地域で暮らしてほしいという家族の願いはあっても、介護負担が重い、仕事があって難しいとの声を聴きます。そこで、重症心身障がい児者や介護するご家族への在宅支援サービスを充実すべきと考えますが、都の見解を伺います。

回答1-4 都は、「障害者・障害児地域生活支援3か年プラン」を策定し、整備費の特別助成を行うなど、重症心身障害児(者)通所施設の設置を促進するほか、家族の病気等で一時的に家庭での療育が困難になった際に、施設等に短期間入所できるよう病床を確保しています。
 また、家族の休養と障害児(者)本人の健康の保持などを目的に、看護師が自宅を訪問し家族に代わってケアを行う「在宅レスパイト事業」を実施する区市町村を包括補助で支援しています。

質問1-5 親の高齢化に伴い、いわゆる「親亡き後」を心配する方が増えています。いずれ家族の高齢化や死亡により介護者が不在になることも想起されますが、こうした状況への都の対応を伺います。

回答1-5 都は、重症心身障害児(者)が、どんなに障害が重くても、必要とするサービスを利用しながら、地域で安心して暮らせるよう、日中活動の場や短期入所などの地域のサービス基盤の充実を図っています。
 また、重症心身障害児(者)の施設入所に当たっては、入所選考委員会を開催し、家庭の介護力や医療的ケアの状況に配慮しながら、必要な方が入所できるよう努めています。

質問1-6 医学の進歩により、今後、医療的ケア児が増えるとも言われています。今後の対応について伺います。

回答1-6 平成28年6月に改正児童福祉法が公布され、医療的ケアが必要な障害児の支援に当たって、地方公共団体は、保健、医療、福祉等の連携の促進に努めることとされました。
 都は、医療的ケアが必要な障害児が適切な支援を受けられるよう、関係機関の連携を強化するとともに、日中活動の場である通所施設や家族のレスパイトにも資する短期入所を整備し、受入れを促進するなど、在宅生活を支えるサービスの充実を図っていきます。

質問1-7 重症心身障がい児を受け入れる放課後等デイサービスがまだ十分ではないため、支援を行う必要がありますが、現状と対応を伺います。

回答1-7 平成28年12月1日現在、重症心身障害児を対象とする都内の放課後等デイサービス事業所は29か所、定員は151人です。
 都は、年3回開催する、通所支援事業の開始を予定している事業者への説明会において、重症心身障害児を対象とする事業所の設置が一層進むよう、その必要性等について説明し、開設を働きかけています。

質問1-8 相模原市で発生したやまゆり園での障がい者の殺人事件は、当事者、支援者含めて、関係者の方々に大きな衝撃を与えました。事件を受けて、都がどのような対応をしたのか伺います。また、障がい者への偏見をなくすため都民に対する普及啓発が必要ですが、見解を伺います。

回答1-8 今回の事件を受け、都は、所管する全ての入所施設、通所施設、グループホーム等に対して、緊急時の職員体制の整備、施設設備の点検、危機管理マニュアルの策定など、安全管理を徹底するよう通知しました。
 また、都はこれまで、障害者への理解を促進するため、毎年12月の障害者週間等の機会を捉えて障害者による芸術・文化活動などを紹介するイベント等を開催するほか、様々な障害の特性や支援方法等を紹介する特設サイト「ハートシティ東京」を開設するなど、都民への普及啓発に努めてきました。
 さらに平成28年度は、障害者差別解消法の施行に合わせ、パンフレットや動画等を作成し、法の概要や障害者に配慮すべき事項等を都民に分かりやすく周知しています。
 今後も、様々な機会や媒体を活用し、障害者への理解促進に向けて広く都民への普及啓発を推進していきます。

質問1-9 知事は、所信表明で「社会全体で障がいのある方々への理解を深め、差別をなくす取組を一層推進するための条例案」の検討を開始すると述べました。どのような内容をお考えなのか伺います。また、条例には差別の禁止について盛り込むべきと考えますが見解を伺います。

回答1-9 現在検討している条例案は、誰もが暮らしやすい共生社会の実現に向け、社会全体で障害者への理解を深め、差別を無くす取組を一層進めることを目的としています。
 条例には、障害者やその家族からの相談に応じ、差別に関する紛争の解決を図るための仕組みや、障害に応じた意思疎通のための配慮などを盛り込む予定であり、今後、障害者や事業者、学識経験者などで構成する会議を設置し、様々な立場の方からの意見を聴きながら検討を進めていきます。


2 自主避難者の住宅支援について 

 東日本大震災から6年近くが経過しようとしていますが、都内には、福島県から福島第一原子力発電所の事故により避難された方々が大勢います。被災された方々への支援については引き続き行うことが必要です。2017年3月に、いわゆる福島県からの自主避難者に対する応急仮設住宅の提供が終了するとのことです。都市整備局が、住宅支援として、都営住宅の専用申し込み枠を確保し、募集を行っていることは承知していますが、資格要件があり、希望する避難者が全て入居できるわけではありません。住宅は生活の基本ですから、この枠に当てはまらない方でも困っている方はいます。避難者の方々に寄り添ったきめ細やかな支援を継続されることを求め、以下、質問します。

質問2-1 子ども被災者支援法の理念に基づく継続的な支援を行う必要がありますが、見解を伺います。

回答2-1 都はこれまでも、子ども・被災者支援法の理念を踏まえ、福島県からの自主避難者を対象に、都営住宅の募集において、入居要件の緩和や当せん倍率の優遇措置を実施するとともに、都営住宅の専用枠300戸の公募や、東京都住宅供給公社の一般賃貸住宅への紹介やあっせん等を行ってきています。
 今後とも、避難者からの相談にきめ細かく対応し、支援を行っていきます。

質問2-2 都営住宅の優先枠について、収入要件・世帯要件について撤廃するなど、希望する避難者が継続して居住できるようにすることが必要ですが、見解を伺います。

回答2-2 避難指示区域外からの避難者への応急仮設住宅の無償提供終了に当たっては、福島県は、県への帰還を基本としながら、避難者の方々の意向を尊重し、県外での生活を希望する低所得の避難者に対する住宅支援として、民間賃貸住宅の家賃への支援を行っています。
 今回の都営住宅の専用枠は、民間賃貸住宅への入居制限を受けやすく、自力で住宅を確保することが困難な可能性がある、ひとり親世帯、高齢者世帯、心身障害者世帯等について、都として住宅支援が必要な世帯と考えて設けたものです。

質問2-3 国家公務員住宅の居住継続できるように国に求めることが必要ですが、見解を伺います。

回答2-3 都は発災直後からこれまで、被災県からの応援要請に基づき、都営住宅や国家公務員宿舎等を活用し、希望する避難者全員に無償で応急仮設住宅を提供してきています。
 特に、国家公務員宿舎に居住する避難者の方へは、必要に応じて国への連絡調整等に努め、日常生活への支援などきめ細やかに対応しています。
 都としては、避難者への支援に係る国への要請は、災害救助法の趣旨を踏まえ、被災県である福島県を通じて行うべきものと考えており、福島県に対して、支援策の拡充について国と協議を進めるよう求めています。
 なお、福島県からは、国家公務員宿舎への避難者のうち、やむを得ない事情があると県が認めた方については、平成29年4月以降、県の管理の下、有償で最大2年間の継続居住を認めることにしたと聞いています。

質問2-4 雇用促進、民間賃貸住宅避難者への家賃補助を行い、都営住宅の家賃並みにすることが必要ですが、見解を伺います。

回答2-4 自主避難者への応急仮設住宅の供与終了に伴い、都は、福島県からの公営住宅等の確保等の要請を受け、都営住宅の専用枠300戸の公募を行いました。
 お尋ねの家賃補助については、福島県が、民間賃貸住宅等での避難生活を継続することが必要な世帯への支援策として行うこととしています。

質問2-5 避難継続を希望する避難者全員について、2017年3月末に強制的に追い出してはなりません。住む場所がなくなり路頭に迷うことがないようにしなければなりません。見解を伺います。

回答2-5 都は既に、福島県からの自主避難者のうち、特に自力で住宅を確保することが困難な世帯を対象に、都営住宅の専用枠300戸の公募を行っています。今後も、平成29年4月以降の住宅が決まっていない自主避難者に対し、状況に応じたきめ細かい対応を行っていきます。
 具体的には、都営住宅の募集において、世帯の一部が都内に避難している場合に、収入を2分の1として扱うなどの特例措置や、当せん率が一般の5倍となる優遇措置を、引き続き実施していきます。
 また、東京都住宅供給公社の一般賃貸住宅への紹介やあっせん、UR賃貸住宅、民間賃貸住宅等の情報提供や、福島県が実施する民間賃貸住宅等の家賃補助の案内なども、継続して行っていきます。
 さらに、東京都住宅供給公社では、平成29年1月に、一般賃貸住宅について自主避難者専用の相談窓口を設置したほか、現在、自主避難者の方々を対象とした入居者の募集を行っています。

 

ユーティリティ

都議会質問内検索

Search

過去ログ